JPYCが1週間で20.6%減 — 14日連続の流出
9月4日終値でJPYCは21.76億円。前週から5億6,326万円(−20.56%)減りました。 先週号では1億1,384万円の減少を「44週で最大」と書きましたが、 その記録は1週間で4.9倍に更新されています。 8月21日の28.53億円を頂点に14日連続で減り続け、下げ幅は累計6億7,710万円、 ピークからは23.7%失われました。 減っているのはほぼ1か所で、Kaiaだけで−5億8,713万円。 Kaia以外を合計すると+2,387万円と、むしろ増えています。 それでもホルダー数は253人増えて71,854。人が増えながら残高が抜ける週は、これで2週連続です。
今週の1枚
※ 金の破線は8/21の高値。左端がそのピークで、以降の14本はすべて前日を下回っています
今週を1枚にすると、この形になります。折れ線が一度も上を向いていません。 8月22日から9月4日まで14日ぶんの終値がすべて前日割れで、 土日も含めて例外がありません。 しかも下げ方は一定ではなく、9月1日の−1億3,670万円を谷に、 月初の3日間で3億7,500万円が抜けました。 先週の時点では「Kaiaから小口の償還が続いている」という話でしたが、 今週はその流れが速くなったことになります。
今週の数字8/28終値 → 9/4終値
※ 緑(JPYSC)の高さはほとんど変わらず、藍(JPYC)だけが縮んでいます
合算は228.04億円 → 222.08億円。5億9,565万円のマイナスで、率にして−2.61%です。 この2つのコインは規模が7倍以上違うため、合算の線はふだんJPYSCの動きでほぼ決まります。 その線が今週はっきり下を向いたのは、JPYC側の減り方が合算を動かすほど大きかったためです。
JPYC — 14日間、どこから抜けたか
※ 4本は同じ縮尺。KaiaはPolygonの23倍以上の幅で、他3チェーンの棒はほとんど見えません
先週と同じ絵が、そのまま5倍の縮尺で出てきました。Kaiaが−5億8,713万円、Polygonが+2,530万円、Avalancheが+56万円、Ethereumが−198万円。Kaiaを除けばJPYCは今週も増えています。 Kaia単体で見ると、週の発行が2,613万円に対して償還が6億1,326万円。 出ていく側が23.5倍です。
※ 7日すべてが純減。9/1の−1億4,330万円が最大で、9/1〜9/3の3日間だけで−3億8,047万円
先週のKaiaは日2,000万〜4,000万円の流出でした。今週はそれが月初に一段跳ね上がり、 9/1・9/2・9/3の3日間で3億8,047万円が抜けています。 償還そのものの形は先週と変わっていません。 当サイトが保持している直近20件の償還はすべて別のアドレスからで、 うち8件が100万円ちょうど、朝から夜まで散らばって発生しています。 JPYC EXは2026年5月の更新で発行を「1回あたり100万円」に改めており、 償還側に同じ刻みが並ぶのは、その裏返しに見えます。大口が一度に引いたのではなく、小口が数百件単位で並んでいるという形です。
原因については、報道がLINEのUnifiで実施されていた年5%上乗せキャンペーンの終了を挙げています。 この上乗せは7月末で終わり、基本の年2%だけが残りました。 Kaia上のJPYCはキャンペーン期間に大きく積み上がった経緯があるため、その巻き戻しという説明は筋が通ります。 ただしチェーンだけを見て確定できることではありません。 ①上乗せ終了後の解約が時間差でまとまって出た、 ②月初(9/1)という区切りに解約日を合わせる利用者が多かった、 ③他の運用先への移し替え、といった説明が並びます。 ③については、同じ週にPolygonが+2,530万円しか増えていないので、受け皿としては小さすぎて大半は説明できません。
JPYSC — 6億円の往復が消えた
※ 4本とも同じ縮尺です。上2本が前週、下2本が今週で、桁がひとつ落ちています
JPYSCは−3,239万51円(−0.16%)。残高は200.32億円で、動き自体は小さいままです。 ただし中身は大きく変わりました。 8月のJPYSCは毎週6億円前後を発行し、金曜にほぼ同額を償還するという往復を3週続けていましたが、 今週は発行が4,989万円、償還が8,228万円。 前週と比べると発行は12分の1、償還は7分の1です。 発行は8/31・9/1・9/2・9/3の4回で、いずれも数百万〜2,000万円台。 金曜9/4の償還も11時46分の送金から12時22分の焼却までと、手順自体はいつもどおりでした。回っていた金額だけが、一段落ちたことになります。
世界の中の円
※ 円=JPYC+JPYSCの9/4終値を1ドル156.17円で換算。他通貨はDefiLlama由来
円建ては$1.42億で非ドル圏2位を維持しました。 ここは今週いちばん見え方が分かれる数字です。円建てでは−2.61%減ったのに、ドル換算では$1.426億→$1.422億とほぼ横ばい。 為替が159.92円から156.17円へ円高に振れ、供給の減少をほとんど打ち消しました。 一方でユーロ圏は$9.13億 → $9.40億(+3.0%)と伸び、 1位との差は6.4倍から6.6倍へ開いています。 3位以下はスイスフラン$57M・英ポンド$39M・豪ドル$10M・シンガポールドル$10Mで、 この4通貨の合計($1.16億)を円が上回る構図は変わっていません。 世界全体は$3,134億で、前月比+1.5%と増えています。
ニュース8/31 → 9/4
今週はステーブルコインの「つなぎ先」の話が続きました。 運用商品につなぐ動きと、銀行そのものになる動きです。
三菱UFJアセットマネジメント・三菱UFJモルガン・スタンレー証券・三菱UFJ信託銀行・Progmatの4社が、国内籍のトークン化投資信託を実際に設定したと発表しました。設定は8/31付です。 対象は残存3か月以下の短期国債で運用する円建て投信で、日々購入・解約できる設計。 自己資金2億円をシードマネーとして拠出し、運用・受託・権利管理・トークン化基盤を 実運用環境で動かします。外部の機関投資家や個人への募集・販売は行いません。 注目は狙いの説明で、4社はこれを単なる24時間売買のためではなく、ステーブルコインやトークン化預金といったデジタルマネーと接続し、運用・決済・担保利用をつなぐためと位置づけています。ステーブルコインの置き場所が、決済だけでなく運用側にも用意されようとしているという話です。報道
Revolutの米国の銀行免許申請について、通貨監督庁(OCC)が条件付きで予備承認を出しました (承認文書は9/2付)。 設立されるRevolut Bank USはコネチカット州スタンフォードに本店を置き、 個人・法人向けに預金、融資、決済、デジタル資産をアプリで提供する計画です。 承認文書によれば、系列のRevolut Ltdを通じたデジタル資産のカストディを備え、 利用者はステーブルコイン等でのクロスボーダー送金ができるようになるとされています。 ただしこれは開業の最終認可ではなく、FDICと連邦準備制度の手続き、 OCCの開業前要件が残っており、開業は2027年の予定です。 前号で取り上げたユーロ連動ステーブルコインEURRの展開に続く動きで、発行と銀行免許を同じ会社が並行して進めていることになります。報道
本号の数値は当サイトのオンチェーン日次記録(集計期間 2026年8月28日終値〜9月4日終値)に基づきます。JPYSCの9月4日の発行残高20,031,714,742円はEtherscanで直接照合し、JPYCのチェーン別フローの合計は残高差分と一致することを確認しています。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。