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WEEKLY STABLECOIN #007

JPYCが過去最大の減少 — Kaiaから1億4,330万円

8月28日終値でJPYCは27.40億円。前週から1億1,384万円(−3.99%)減りました。 金額では、当サイトが発行・償還を記録している2025年11月以降の43週で最大の減少です。 これまでの最大は5月8日の−3,383万円ですから、3.4倍。 週次がマイナスになること自体も、5月8日以来16週ぶりでした。 減った分はほぼ1か所に集中していて、Kaiaだけで−1億4,330万円。 PolygonとAvalancheはむしろプラスで、Kaia以外を合計すると+2,946万円あります。 そのうえ同じ週に、ホルダー数は302人増えて71,601になりました。 人は増え、残高だけが減った週です。

もくじ全文 約4分 / 図表だけなら1分
今週の1枚今週の数字JPYC — 何が減ったのか世界の中の円ニュース
先週(8/21)は号を出せなかったため、本号は8月14日終値から8月28日終値までの2週間を扱います。 週単位の数字は、8/15〜8/21を「前週」、8/22〜8/28を「今週」と表記します。

今週の1枚

JPYC チェーン別の純増減(万円) — 8/22〜8/28
Kaia−1億4,330万Polygon+1,949万Avalanche+1,487万Ethereum−490万ホルダー数71,299 → 71,601+302人

※ 4本は同じ縮尺です。下段は同じ期間のホルダー数で、残高と逆方向に動いています

今週を1枚にすると、この形になります。 赤い長い棒が1本あって、右側に短い青い棒が2本。それだけです。Kaiaの−1億4,330万円に対して、Polygonは+1,949万円、Avalancheは+1,487万円。 Ethereumが−490万円ですから、Kaiaを外せばJPYCは今週も増えていました。 そして下段のとおり、ホルダー数はこの週も302人増えています。参加者が減ったのではなく、預けてあった残高が抜けた — 図が示しているのはそういう形です。

今週の数字8/14終値 → 8/28終値

円建てステーブルコインの週足(億円) — 各週金曜の終値、創刊前週から
1106/261147/31217/101267/171267/242277/312288/72288/142298/212288/28JPYSCJPYC

※ 右端の228が、10本の中で初めて前の週より低くなった棒です。緑(JPYSC)は伸び、藍(JPYC)が縮んでいます

合算流通量
228.04億円
週 −9,043万円 (−0.39%)
金額では過去最大の週次マイナス
JPYC
27.40億円
週 −1億1,384万円 (−3.99%)
ホルダーは逆に 71,601 (+302)
JPYSC
200.64億円
週 +2,341万円 (+0.12%)
4週ぶりのプラス
世界の中の円
$1.43億
非ドル圏2位
ユーロとの差は6.4倍へ

2週間をまとめると、合算は228.11億円 → 228.04億円で、差し引き−702万円。 ほとんど動いていません。ただし中身は入れ替わっていて、JPYSCが+1,954万円、JPYCが−2,656万円です。 横ばいに見える1本の線の下で、2つのコインが逆方向に動いた2週間でした。 今週だけで見ればJPYSCは+2,341万1,314円で、 月〜木に4回で6億2,788万2,399円を発行し、金曜8/28に6億447万1,085円を償還。 発行が償還を上回ったのは4週ぶりです。

JPYC — 何が減ったのか

Kaia の日次純増減(万円) — 8/22〜8/28
−4458/22−6908/23−2,8628/24−2,3298/25−1,8098/26−3,9468/27−2,2488/28日次の純増減(万円)

※ 7日すべてが純減です。土日(8/22・8/23)は小さく、月曜から金曜の5営業日で−1億3,195万円

Kaiaの減り方には形があります。7日連続で純減、しかも土日は数百万円規模なのに、月曜から金曜は毎日1,800万〜3,900万円。5営業日だけで−1億3,195万円です。 単発の大口が1回抜けたのではなく、営業日ごとに同じくらいの量が出続けたことになります。 週の総額で見ると、Kaiaの発行3,934万円に対して償還は1億8,264万円。 出ていく側が4.6倍でした。

なぜ減ったのかは、チェーンだけでは決まりません。考えられる説明を並べると、 ①LINEのUnifi経由で預けられていた資金の引き出しが重なった、 ②年5%の上乗せが7月末で終わり、残っていた資金が時間差で動いた、 ③他の運用先や他チェーンへの移し替え、あたりです。 ③については、同じ週にPolygonが+1,949万円、Avalancheが+1,487万円と増えているので、移動が一部あった可能性は残ります。 ただしKaiaの減少額に対して受け皿としては小さく、大半は説明できません。

当サイトはKaiaの償還を直近20件だけ保持しています。そのうち集計期間内に入るのは8/28の18時27分〜23時00分の10件で、10件とも別々のアドレスから、 うち7件が100万円ちょうどでした。 週全体の傾向と言い切れるサンプル数ではありませんが、 一人の大口ではなく多数の小口という形は、日次の推移とも整合します。 この「100万円ちょうど」が何を意味するかは、ニュースの1本目とあわせて読むと分かります。

Avalancheの動きも今週の新顔です。これまでほとんど残高が動かなかったチェーンで、 8/24から8/27の4日間だけで1,943万円が発行され、週で+1,487万円。金額は小さいものの、残高の動きが実質3チェーンに限られていた構図に、4本目が入りかけているとは言えます。 送金件数のほうは、Kaiaが日1,162〜1,670件と、先週の日993〜1,268件から少し戻しています。件数は減らずに残高だけが抜けた点は、ホルダー数の動きとも揃っています。

世界の中の円

非ドル圏ステーブルコインの規模(百万ドル)
EUR$913MJPY$143MCHF$57MGBP$39MSGD$10MAUD$10M

※ 円=JPYC+JPYSCの8/28終値を1ドル159.92円で換算。他通貨はDefiLlama由来

円建ては$1.43億で非ドル圏2位を維持しました。 2週間前の$1.43億とほぼ同じ水準です。 一方でユーロ圏は$8.96億 → $9.13億と伸び、 1位との差は6.3倍から6.4倍へ開きました。 3位以下はスイスフラン$57M・英ポンド$39M・シンガポールドル$10M・豪ドル$10Mで、 この4通貨の合計($1.16億)を円が上回る構図は変わっていません。 ドル建ては$3,115億で、世界全体の99%超を占めたままです。

ニュース8/24 → 8/28

今週は国内が濃い1週間でした。制度・取扱業者・銀行が そろって動いています。どれも、円建てステーブルコインが次にどこまで使えるようになるかを決める話です。

8/24 — 金融庁、信託型の税務手続き簡素化を要望へ。100万円超の決済に道

金融庁が、円建てステーブルコインの税制改正要望を出す方針と報じられました。 狙いは信託型の流通を妨げている手続きです。 いまの制度では、資金移動業型(JPYC)は1回あたり100万円以下という上限があり、信託型(JPYSC)に上限はありません。 そのかわり信託型には、所有者が変わるたびに氏名や価格を記載した書類を税務署へ提出する義務があり、 これが高額決済の足かせになっていました。 金融庁は相続税法・所得税法の改正で、この提出を一律で不要にするよう求めます。 年末の税制改正大綱に向けて政府・与党で議論し、2027年度以降の実現を目指すとされています。 実現すれば、自動車や住宅のような100万円を超える決済が信託型の射程に入ります。報道

この「1回100万円」は、本号のオンチェーン観測ともつながります。 8/28に記録できた償還10件のうち7件が100万円ちょうどでした。 JPYCは資金移動業型なので、1回の上限がそのまま刻み幅として表れている、と読むのが自然です。 上限が動けば、チェーンに出てくる数字の形も変わることになります。
8/27 — コインチェックが電子決済手段等取引業に登録完了。国内わずか2社目

コインチェックが電子決済手段等取引業の登録を完了しました (関東財務局長第00002号)。まず扱うのはCircleのUSDCです。 注目は番号のほうで、国内でこの登録を持つ業者はこれで2社目。 1社目はSBI VCトレードで、2025年3月の登録から1年5か月、 2社目が出るまでそれだけかかりました。 SBI VCトレードはJPYSCを扱う会社でもあります。 つまり本サイトが追う2つのコインは、入口の作られ方から違うということです。 JPYSC(信託型)は電子決済手段等取引業の登録を持つ業者を通って流れ、 JPYC(資金移動業型)はその枠組みの外にあります。 窓口が1社から2社に増えたことは、信託型の流通が広がる前提が1つ整った、という意味を持ちます。報道

8/26 — 銀行が自前でやる。国内43社の実証と、米21.8兆ドルの連合が同じ日に

国内では、GMOあおぞらネット銀行・DCP・アビームコンサルティングによるトークン化預金の銀行間決済の実証に、43社が参加すると発表されました。 横浜銀行・りそな銀行・きらぼし銀行などが名を連ね、あいち銀行・千葉銀行はオブザーバー参加。 違う銀行の顧客どうしが送金したときの銀行間決済をブロックチェーンで行い、全銀システムを介さずに24時間365日の即時グロス決済(RTGS)を目指します。 方式は2つ想定されており、片方は銀行間決済にステーブルコインを使う案です。 金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件で、DCPは2027年度の実用化を掲げています。 同じ日、米国ではBankChain Allianceの構想が出ました。 JPMorgan Chase、Bank of America、Wells Fargo、Santanderなど12行以上が主導し、 参加は3,283機関、資産規模は合計21.8兆ドル。2027年前半の立ち上げを目指し、 トークン化預金とステーブルコイン(米ドル・ユーロ・G7通貨)を扱います。 発表を受けてCircle(CRCL)とCoinbase(COIN)の株価はいずれも3%超下落しました。 発行体の外側にいた銀行が自分で出す側に回る動きが、日米で同じ日に並んだことになります。国内報道米報道

そのほか、今週の動き
8/26 大阪府が金融実証4事業に交付決定、うち3件がJPYC決済 — 12件の応募から4件を採択し、交付額は総額2,889万円。 HashPortに1,000万円(JPYC・USDCで受け取り店舗には円で清算するエスクロー型、府内の小売・飲食・ECで2027年1〜3月)、 マイナウォレットに764万円(三井住友カードと連携し決済端末stera terminalでJPYC・USDC払いを検証、2026年10月頃〜)、 Mi&Tに125万円(大阪公立大学周辺の店舗でJPYC決済)。SBI XDC Network APACも採択されました。 自治体の補助金がJPYCの実店舗決済に付いた例です。報道
8/26 Revolutがユーロ連動ステーブルコイン「EURR」を展開 — EthereumとPolygonで、デンマーク・ポーランド・ポルトガルの対象顧客から開始。 発行はStripe傘下BridgeのルクセンブルクCSSF認可子会社で、MiCAに沿って裏付け資産を管理します。 本号のとおりユーロ圏は$9.13億まで伸びており、その厚みを作っているのはこうした新規発行です。報道
8/25-27 Visaがステーブルコインで3日連続の提携発表 — 8/25に韓国の新韓金融グループとMOU(発行・送金の検証)、8/26にシンガポール金融管理局(MAS)主導の 「ブルーム」へ参加しNiumと精算実証、8/27に韓国Upbit運営のドゥナムと決済・送金で協業。 カード網の側がステーブルコインの精算に寄ってきています。一覧
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本号の数値は当サイトのオンチェーン日次記録(集計期間 2026年8月14日終値〜8月28日終値)に基づきます。JPYSCの8月28日の発行残高20,064,104,793円と、期間中のすべての発行・償還はEtherscanで直接照合しています。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。

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