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WEEKLY STABLECOIN #003

眠れる100億が、目を覚ました — 発行後最大の週+5.4億円と、物流マネーの10億円

先週号の最後にこう書きました — 「7/17朝の+1.8億円は単発か、新しい水準か」。 今週、チェーンが答えを出しました。JPYSCは銀行の営業日ごとに1億円超を発行し続け、 週間+5.45億円は発行後最大。合算は初の130億円台に乗りました。 ニュース面では、物流大手AZ-COM丸和がJPYCへ約10億円の出資を正式発表。 そして先週から追ってきた「Kaiaの毎日1万件」の正体を、今週は取引の生ログから突き止めました。 「実証」に加えて、「実装」にもお金が張られ始めた1週間です。

この号の内容
今週の数字JPYSC — 覚醒の中身JPYC — 10億円の意味利回り対決 第2R毎日1万件の正体163円と非ドル圏2位海外今週の一言

今週の数字7/16終値 → 7/23終値

合算流通量130.9億円 — 週+7.1億円(+5.7%)で初の130億円台。この30日で+19%
JPYSC106.2億円 — 週+5.45億円(+5.4%)は発行後最大。追加ミント(=新規発行)の97%がこの10日間に集中
JPYC24.8億円(+7.1%) — 物流大手AZ-COM丸和が約10億円の出資を正式発表
ホルダーJPYC 69,848アドレス(+866) — 7万の大台まであと152
週間取引件数(Tx)約9.0万件 — 先週(約4.1万件)から2倍超。Tx=チェーン上の送金・支払い1件ごとの記録(前号の約4.4万件は朝時点集計。本号から日次終値ベースの7日間に統一)
世界の中の円ドル換算$0.80億 — 円が163円台(約40年ぶり安値)でも非ドル圏2位を維持
123.87/16126.27/17126.37/18126.37/19126.57/20128.47/21129.67/22130.97/23億円(JPYSC+JPYC合算・日次終値) — 薄い棒=土日祝。ミントが休む週末はほぼ横ばい

初の130億円台へ押し上げた+7.1億円は、JPYCの急拡大が牽引した先々週(+8.0億円)に次ぐ歴代2位の週間増。 ただし中身がまるで違います。前回の主役が5%利回りに沸く個人マネー(リテール)のJPYCだったのに対し、今週の+7.1億円のうち5.45億円は、3週間沈黙していたJPYSCが生み出しました。 「静」と「動」が入れ替わった週 — まずはその覚醒の中身から見ていきます。

合算130.9億円の内訳(7/23時点)JPYSC 106.2億 · 81.1%JPYC 18.9%今週は「規模のJPYSC」が動き、「伸び率のJPYC」には10億円の出資が入った

分析① JPYSCの覚醒 — 3週間の静止線が折れ、発行が「銀行の営業カレンダー」で動き始めた

まず30日を引いた画角で。6/24に100億円で生まれたJPYSCは、それから3週間、 チャートがほぼ定規で引いた直線でした(3週間の増分はわずか+0.21億円)。 その静止線が、7/14を境に折れ曲がります。

1001021041063週間、ほぼ静止(+0.21億)7/14 初動7/23 · 106.2億10日間で+6.0億JPYSC流通量(億円) — 6/24発行から30日6/247/17/87/157/23

折れてからの10日間で+6.0億円。発行から1カ月間の追加ミント総額のうち、実に97%がこの10日間に集中しています。そしてこの目覚めのリズムを日次で拡大すると、 極めて規則的なパターンが浮かび上がります。

JPYSC 日次ミント(新規発行)額 — 万円(18,339万円=1.83億円)5,00010,00015,000207/134957/141,6497/153,2537/1618,3397/17休7/18休7/19休7/2014,7287/2110,3737/2211,0297/237/16 20時申込開始7/23 貸出開始※ 7/18-19は土日、7/20は海の日。ミントは銀行営業日にだけ走る — 裏側が銀行振込である何よりの証拠

7/17(金)に1.83億、7/21(火)に1.47億、7/22(水)に1.04億、7/23(木)に1.10億 — そして土日と海の日(7/20)は、ぴたりとゼロ。ミントは銀行の営業カレンダーどおりに走っている —円の入金(銀行振込)を受けてその都度発行する定常オペレーションが回り始めた、その証拠が休日の空白です。 24時間365日動くブロックチェーンの上で、銀行のリズムで増えていく。これがJPYSCという信託型コインの現在地です。

タイミングも符合します。SBI VCトレードのJPYSCレンディング(第1回・年率3%)は7/16 20時に申込受付を開始し、7/23に貸出を開始。貸し出すにはまずJPYSCを買う必要があり、その購入代金の円が新規発行(ミント)になります。 日次1億円超の定常ミントは申込開始の翌朝(7/17 9:59の+1.83億円)から始まり、貸出開始日まで毎営業日続きました —申込に集まった円が、営業日ごとに発行へ転化していると読むのが最も素直でしょう (発表直後の7/14〜16にも数百万〜3千万円規模の助走があります)。

第1弾の申込は7/30 19時まで。募集上限を超えるとキャンセル待ちになる建て付けなので、 締切までにミントの傾きがどう変わるかが、需要の強さを測る温度計になります。 (SBI VCトレード)

※ レンディングは取引所の中で完結するため、何万人が申し込んでもチェーン上で観測できるのはミント総額だけです。 本欄がJPYSCを「発行額」で語るのはこのためです。

周辺のニュースも3件、まとめて押さえておきます。

Ondo提携(7/16)SBIホールディングスが、株式や国債など現実資産をブロックチェーンで扱う「RWA(実世界資産のトークン化)」分野の米大手Ondo Financeと戦略提携。トークン化した日本株式の決済・担保としてJPYSCの活用を検討と明記(あたらしい経済)
Coinhako買収(7/17)シンガポールの暗号資産プラットフォームCoinhako(顧客48万人超)の連結子会社化が完了。SBIホールディングスの北尾吉孝会長は「JPYSCをはじめとするシナジーを早期に具現化する」とコメント(NADA)
Pharos構想(7/17)住友商事が出資する金融特化チェーンPharosが、低金利の円をJPYSCなどで調達し海外RWAで運用する構想を披露(NADA)

「利回りの受け皿」だけでなく「決済・担保・調達の部品」としてのJPYSCが、国内外で同時に語られ始めた週でした。

分析② JPYC — 実証から実装へ。物流大手が10億円を張り、2,300社の支払いが乗ってくる

JPYCサイドは、流通量(+1.65億円、+7.1%)よりニュースの重さで記録される7日間でした。 東証プライム上場の物流大手AZ-COM丸和ホールディングスが7/22、JPYC株式会社への約10億円(B1種優先株11.6万株・議決権2.9%)の出資と資本業務提携を正式発表。 出資の実行は7/30です。(あたらしい経済)

🚚 何に使うのか — 「桃太郎便」の配送網を流れる円

計画の核心は、AZ-COMネットワークの会員企業2,968社(6月末時点)や個人トラックドライバーなど約2,300の委託先への支払いに JPYCを使うこと。GPSと連動し配送完了と同時にスマートコントラクト(条件を満たすと自動実行される契約プログラム)で支払う仕組みや、独自ウォレットアプリの構築まで踏み込んでいます。 狙いは振込手数料の削減と、資金繰りが厳しい小規模事業者への即時払い。 京都の自販機(7/1〜)、ローソンの実証(8月上旬開始予定)が「使う場所」を作る話だとすれば、 こちらは給与・委託費という「お金の入り口」そのものにステーブルコインを差し込む話 — 国内の円ステーブルコインで最大級の実需ユースケースです。

では、10億円を受けたJPYC社自身は何をやるのか。発表翌日のインタビューで岡部代表が語った役割分担が明快です。 いわく、「◯◯Pay」のような決済アプリを自社では作らない。アプリや企業ごとのシステム開発はパートナー企業に任せ、 JPYC社はどのアプリからでもJPYCが使えるようにするための共通ルール作り(規制対応、業界の取引慣行、技術仕様の標準化)に徹する。 「どこか1つのPayに加盟していれば、世界中のステーブルコインで支払えるのが健全な姿」と、自社での囲い込みも明確に否定しました。 2,300社への導入という大仕事を発行体が自ら抱え込まない — この分業の設計は、今後の提携がどう広がるかを読む鍵になります。 (NADA/Yahoo!)

もうひとつ、小さいながら未来を感じさせる話も。EC決済のunipleは7/21、既存ECにプラグインを入れるだけでJPYC決済とAIエージェント経由の購入に対応する「uniple checkout」を提供開始しました。 ChatGPTやClaudeが商品を探して買う時代の決済手段として、円ステーブルコインが最初から選択肢に入っている — 「実装」の裾野は物流の大口からAIコマースの先端まで、同時に広がり始めています。 (PR TIMES)

では、足元の流通量。31日のトレンドと、今週の中身です。

121620246/30 Unifi 年率5%開始6/23 · 9.6億7/23 · 24.8億(2.6倍)JPYC流通量(億円) — 直近31日。上乗せ+3%は7/31まで6/236/307/77/147/23
今週のチェーン別 純増減(億円) — 発行と償還(円への払い戻し)の差し引きKaia+1.52億Polygon+0.16億Avalanche+0.02億Ethereum-0.05億JPYC 24.8億円のチェーン別内訳(7/23時点)Kaia17.8億 · 72%Polygon4.3億 · 17%Ethereum 1.7億 · 7%Avalanche 1.0億 · 4%※ Kaia=LINE系ウォレットが使う基盤。全体の72%まで積み上がった

今週の純増+1.65億円の92%にあたる+1.52億円がKaia(LINE系サービスが使うブロックチェーン) — 引き続きUnifi(LINEアプリ内のウォレット。JPYCを預けると期間限定で年5%が付く)へ向かう預け入れが主エンジンで、 Kaiaは全体の72%(17.8億円)まで積み上がりました。ただし勢いは一段落しています。Kaiaへの日次純流入は先週平均の約4,000万円から今週は約2,200万円へほぼ半減。爆発期(7月第1週の日次1億円超)→高原(先週)→減速(今週)という軌道です。 理由は、①預けたい人がすでに預け終えた(需要の一巡)、②終了が7/31に迫り、いまから預けても5%を受け取れる日数が残りわずかしかない — このどちらか、あるいは両方でしょう。いずれにせよ「5%の吸引力」は最終週に入りました。 保有アドレス数は+866と数字の上では急回復していますが、うち+698は後述する7/21の一斉配布によるもので、 それを除いた自然増は先週(+145)と同水準 — 金額もアドレスも、自発的な新規流入はキャンペーン最終週らしく細っているのが実態です。

対決アップデート: 利回り第2ラウンド — 率で勝る5%より、3%に大きな円が動いた

先週「5% vs 3%」として開幕を伝えた利回り対決。第2ラウンドの採点を、実際にチェーンへ流れ込んだ円の量でつけてみます。

今週の流通量 純増(億円) — 7/16 → 7/23JPYSC年3% · 12週固定+5.45億JPYC年5% · 〜7/31+1.65億← 率は上でも流入は1/3※ 利回りに紐づかない発行・償還も含む純増。裏が大口か小口かはチェーンからは見えない(本文参照)

率で勝るJPYC(5%)の純増+1.65億円に対し、JPYSC(3%)は+5.45億円と約3.3倍。 「高い利回りに多くのお金が動く」という直感は、少なくとも今週の円ステーブルコインでは成り立ちませんでした。 効いたのはおそらく入り口の設計の違いです。どちらも申し込むのは主に個人ですが、 JPYCは資金移動業型で発行・償還(コインと円の交換)に1回100万円の上限がある、LINEアプリの小口設計。 JPYSCのレンディングは取引所口座から申し込む形で、信託型ゆえ発行・償還に100万円の壁がなく、 まとまった円も受け止められる設計です(レンディング自体の申込上限は募集ごとに設定され、アプリの募集画面に表示されます)。 ただしミントは発行体の一括処理のため、裏にいるのが少数の大口か多数の小口かまではチェーン上では区別できません — 数字が確定させたのは「どちらの受け皿に、より多くの円が集まったか」です。

そして、この対決の「持ち時間」は非対称です。

二つの「円利回り」の残り時間(2026.7.24時点)6/307/318/319/3010/15JPYC 5%Unifi(上乗せ込み)〜7/31残り1週間で上乗せ終了 → 基本2%へJPYSC 3%SBI VCトレード7/23 貸出開始 — 12週固定(〜10/15)申込 7/16〜7/30今ここ※ 来週、5%は消える。「上乗せ終了後のKaia」が8月最初の見どころ

Unifiの上乗せ+3%は7/31で終了(最終付与は8/1)。以降の表示は基本の2%に戻ります。 一方JPYSCの3%は12週固定で10/15まで走り続け、しかも第1弾の申込が7/30まで開いています。 来週の円ステーブルコインは「5%が消えて2%と3%が残る」世界に変わる —キャンペーンの円は剥落するのか、居座るのか。Kaiaに積み上がった17.8億円の粘着性が、いよいよ試されます。

今週のオンチェーン観察 — 「毎日1万件」の正体を、取引の生ログで突き止めた

先週この欄は、2つの謎を追いかけていました。毎週水曜にPolygonチェーンで走る約1万件の一斉配布バッチと、 7/15を境にKaiaで始まった毎日1万件の定常フロー。 今週は両チェーンの転送記録を1件ずつ直接たどり、答えに辿り着きました。

JPYC 日次トランザクション件数 — 直近30日(6/24〜7/23)5k10k15k20k6/247/17/87/157/227/16〜 毎日1万件超の「高原」→金色=水曜(クイズ配布バッチ)。バッチは今週7/22も約1万件で継続 — 高原の上にパルスが乗る7/16〜の高原の正体=Kaiaのリワード即時配布ループ(本文で解明)

まず水曜バッチ。今週も来ていました(7/22に約1万件、高原の上に積み上がった金色の山)。 正体は先週推定したとおりHashPort Walletの週次Web3クイズの山分け配布で、クイズは今も継続中。 ただし規模が変わっています。今週のバッチの配布額は1件あたり中央値11円 — 当初「毎週100万円分の山分け」で始まった賞金は、参加者の受領報告と突き合わせると現在は週あたり総額10万円規模へ縮小したとみられます (約10円×約1万人)。パルスは健在、ただし静かに小さくなっていました。

そして本命、Kaiaの毎日1万件。まず言えるのは、正体は「利息」ではないということです。 Unifiの利息は毎日朝9時(日本時間)に付与と公式に説明されていますが、その時刻を挟む転送を全件確認しても、 日割り計算なら必ず生じる端数額の送金はごくわずか(観測窓で6件)。利息はアプリ内の残高に計上されているだけで、チェーン上を流れていません。

では毎日の1万件は何か。配布用ウォレット(0x87c7…)から、10円・30円・50円・100円…と賞金テーブルどおりの丸い金額が 毎日数百人へ払い出されています(7/23は5,282件・中央値30円。朝9時=キャンペーンの残高判定時刻の直後に集中)。 そして受け取った利用者の側では、約30分以内に同じ金額がサービスの預かりウォレット(0x24dde…、Kaia上のJPYCの大半を保有)へ移動 — 抽出した55人のうち53人でこのペアを確認しました。 つまり毎日1万件の鼓動の正体は、Unifiの抽選キャンペーン「ラッキーボール」等の当選金の即時払い出しと、その自動預け入れのペア。 報酬が「その場で即時自動付与」に変わったSeason 2の開始日(7/15)から、この鼓動は正確に始まっています。

Kaia上のJPYC 日次アクティブアドレス数(その日に送受金があったアドレス)5001,0001,5002,0003857/14827/153287/162867/171997/182437/196117/202,0637/216667/226807/23← +646アドレス

7/21の異変も同時に解けました。この日はSeason 1(7/1〜7/14参加分)の当選金の後日一斉付与日。 夕方18時台の約1時間に1,702件・1,651人へ1人1件ずつ配布され、当日の配布先は計1,931人(通常は600人前後)に達しました。 この日1日で保有アドレスは+698(うちKaiaが+646)。通常は±50程度ですから、配布が新しい保有者を一気に作った形です。

種明かしをすれば、毎日1万件は「決済の実需」ではなく「キャンペーンの機構」でした。 それでも、毎日数百人がJPYCをオンチェーンで受け取り、その残高が預かりウォレットへ積み上がっていく導線は現実に回っています。 保有アドレスは69,848 — 7万の大台まであと152。 Season 2は7/31まで。この鼓動が8/1に止まるのか、別の形で続くのか — 来週この欄で確かめます。

世界の中の円 — 163円の逆風の中で、非ドル圏2位を守り切った

今週はマクロの風が強く吹きました。円相場は7/21-22に1ドル=163円台と約40年ぶりの安値を更新。 円建て資産のドル換算値がまるごと目減りする逆風の中で、円ステーブルコインの世界での立ち位置はどうなったか。

非ドル圏ステーブルコインの規模(百万ドル換算・7/23時点)※ JPYバーの内訳: 緑=JPYSC 81% / 藍=JPYC 19%EUR$816MJPY$80M ← 2位を維持CHF$55MGBP$47MAUD$11MSGD$9M

答えは「守り切った」。円建て合算は流通量の+5.7%成長が円安を上回り、ドル換算でも$0.76億→$0.80億へ増加。 スイスフラン建て($0.55億)との差はむしろ広げ、非ドル圏2位の座を固めました。

首位ユーロ建て($8.2億)の背中はまだ約10倍先ですが、その内側は激動しています。 4月に約6億ユーロで「世界最大のユーロステーブル」を名乗ったHEUROは償還が止まらずこの30日で−72%の€1.4億まで縮小(7/23時点)。 一方でCrédit Agricole系のEURXTが7/1の発行から3週間で€0.2億→€0.45億へ倍増するなど、 「無名の急成長株が崩れ、銀行系が置き換わる」新陳代謝の真っ最中です。 ECBのチポッローネ理事が「ステーブルコインは銀行のリテール預金を流出させる」と警告し、デジタルユーロを「銀行を守る盾」と位置づけたのも今週(7/17講演・Ledger Insights 7/20報道) — ユーロ圏が守りの議論をしている間に、円は静かに積み増しています。

※ 各通貨の規模はDefiLlamaベースの当サイト日次記録、円はJPYC+JPYSC合算を当サイトの実勢レート(7/23時点 1ドル=163.1円・日次更新)で換算した参考値。 なお当サイトの記録では7/22にユーロ建てが一時$8.5億と跳ねましたが、検証の結果この急騰の大半は取得元データの計上異常(一部銘柄の価格・供給の異常値)と判断し、 本文・グラフでは7/23の水準を採用しています。

海外の動き — GENIUS法1歳の誕生日に、規則はまだ来ない

米国(GENIUS法)7/18で成立から1年。しかし想定されていた実施規則の最終化は期限に間に合わず、FDICの144項目の意見募集や複数当局の顧客確認規則案(コメント期限8/21)が続く。「法はあるが規則がない」宙吊り状態のまま2年目へ(CoinDesk)
米国(USDT)外国発行者の適合期限(2028年7月)まで残り2年。最新開示ではUSDT準備金の約1/4が同法の認めない資産(貴金属・BTC・担保付貸付等)で、時価総額はピーク比約54億ドル減の約1,841億ドル。米国準拠版USATの利用は低調のまま(CoinDesk)
米国(企業)法人支出管理のRamp(年間処理2,000億ドル超)がStripe系インフラでステーブルコイン口座・決済を一般提供。ウォレットのExodusは従業員25%を削減しステーブルコイン決済インフラへ全面転換 — 「使う側」の企業採用と業界再編が同時進行(PR Newswire)
競争の風景USDC発行元Circleの株価は7/20に+8%超の65.45ドル — 米通貨監督庁(OCC)の信託銀行認可を好感した買いが続く。Tetherは3社合併構想を撤回しTwenty One CapitalのCEOが交代(7/20)、一方でArdoino CEOは「ユーザー約5.5億人・四半期3,000万ウォレット増」と規模を誇示 — 規制準拠組と規模組の分岐が鮮明に(CoinDesk 7/17-21)

日本への示唆はシンプルです。米国は「法はできたが規則が遅れる」不確実性の2年目に入り、USDTは2年後の締切に向けた構造問題を抱えたまま。 この間に、資金決済法と信託の枠内で最初から走っている日本の円建て勢は、物流大手の出資(JPYC)や証券・RWA決済への組み込み(JPYSC)という「実装の既成事実」を積んでいます。 規模は3桁違っても、規制の確度で先行する — 円ステーブルの相対的な立ち位置は、また少し良くなりました。

今週の一言

先週の問い「単発か、新しい水準か」への答えは、「新しい水準だった」。 それも一度きりの大口ではなく、銀行営業日ごとに億単位が積まれる定常運転という、いちばん強い形での回答でした。 LINEの5%が作った24.8億円と、取引所の3%が動かし始めた106.2億円。そこに物流の10億円が重なり、「利回りで集める円」から「実務で流れる円」への橋が架かり始めています。 Weekly Stablecoin #004でお会いしましょう。

来週の注目 — すべて日付つき
7/30 19時 — JPYSCレンディング第1弾の申込締切。ミントの傾きは締切まで続くか
7/30 — AZ-COM丸和の10億円出資が実行。8月上旬にはローソンのJPYC決済実証も
7/31 — Unifiの上乗せ+3%が終了。Kaiaの17.8億円は剥落するか、居座るか
8/1 — 「毎日1万件」の鼓動が止まるか。JPYCホルダー7万突破(あと152)の確認も
本レポートの国内流通量・ミント・Tx件数は当サイトが毎日記録しているオンチェーン集計(日次アーカイブ)、 海外の数値・各サービス条件は各記事・各社発表時点の公表値です。年率などの条件は変更・早期終了の可能性があります。投資助言ではありません。
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本号の数値は当サイトのオンチェーン日次記録(集計期間 2026年7月16日〜7月23日・7月24日発行)に基づきます。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。

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