JPYCが1週間で+59% — リテールの実需が数字に出た週
毎週金曜、日本円ステーブルコインの1週間をオンチェーンデータとニュースで振り返ります。 集計期間は7/3〜7/9(終値ベース)。数値は当サイトの日次オンチェーン記録から。
今週の数字
| 合算流通量 | 114.9億円(前週 109.5億円、+5.4億円 / +5.0%) |
|---|---|
| JPYC | 9.26億円 → 14.71億円(+58.7%)。この1週間で流通量が約1.6倍に |
| JPYSC | 100.2億円で横ばい(+0.02%)。発行から2週間、静かな安定期 |
| JPYCホルダー数 | 64,612 → 68,837(+4,225アドレス) |
伸びの主役はJPYCでした。毎日数千万円〜1.8億円ペースの純増が7日間続き、保有アドレスも4千件以上増加。 金額の規模ではJPYSCの100億円が依然として市場の大半を占めますが、「増えているのはどちらか」で見ると今週は明確にJPYCです。 機関向けに大口で立ち上がったJPYSCと、リテールに広がるJPYC — 2つの類型の性格の違いがそのまま数字に表れています。
国内の動き
INSPAY社が京都市内のチェリオ自動販売機でJPYC決済の実証実験を開始(7/1〜9/30)。 利用者はHashPort Walletから支払い、期間中は対象商品が半額になるキャンペーンも。 自販機という「小口・高頻度・無人」の現場は、送金上限のないステーブルコイン決済の得意領域そのもので、 取引所の外側=実消費シーンへの第一歩として注目です。 (CRYPTO TIMES)
京都で開催された国内最大級のカンファレンスIVS2026の「IVS Startup Market」にJPYCが出展。 上の自販機実証もIVS会場での展示が起点で、開発者・起業家コミュニティへの露出を強めた週でした。 (プレスリリース)
海外の動き
| 市場規模 | ステーブルコイン全体で約3,038億ドル(USDT 1,842億・USDC 733億)。6月のオンチェーン決済額は1.79兆ドルで過去最高(CCN/Visaデータ) |
|---|---|
| 欧州(MiCA) | RevolutがUSDTの取り扱いを8月末までに終了へ。MiCA非準拠のUSDTを欧州の規制事業者が外す動きが加速(AMBCrypto) |
| 米国 | OCCがステーブルコイン発行者向けに週次・四半期の報告様式を提案。準備金・償還・AMLの実務ルールが7月中旬にかけて固まる見込み(Serrari) |
規制準拠のUSDCが決済シェアを伸ばし、非準拠のUSDTが規制圏から押し出される — 「規制がそのまま市場シェアを動かす」構図が鮮明になっています。 資金決済法の枠内で設計された日本の円建てステーブルコインにとっては、追い風の読み筋です。
今週の一言
発行から2週間のJPYSCが100億円で静かに構え、JPYCが自販機・LINEミニアプリ・カンファレンスと 生活動線で+59%を叩き出した週。「機関のJPYSC、リテールのJPYC」という棲み分けが、 ニュースと数字の両面から裏付けられました。来週は自販機実証の広がりと、JPYCの増勢が続くかに注目です。
本号の数値は集計期間末(7/9)時点のオンチェーン記録のスナップショットです(2026年7月10日発行)。